福祉×先進技術 - 日の出医療福祉グループ

福祉×先進技術

PROPULSION TO THE FUTURE労働環境改善、業務効率化を目指した
ICT・AI・介護ロボット導入の推進

日本の介護現場は高齢社会の進行に伴って2025~2040年には「利用者の介助量が増加」「働き手不足」に直面します。
日の出医療福祉グループもその問題への対応策として、国や県が推奨している介護の現場への先進技術の導入について意欲的に研究しています。

日の出プライド

利用者様・職員のために取り組む

先進技術の導入は、介護の現場における労働環境を改善し、業務を効率化するために有効です。介護者の負担が減ることでより多くの方にサービスを届けることができ、地域の安心につなげることが叶うと考えています。
これらはすべて、日の出医療福祉グループが掲げるグループ理念「HINODE PRIDE お客様のよろこび 働く人のよろこび 地域のよろこび」につながると考えています。

負担軽減・業務効率化を
目指した
物品導入事例

施設全館Wi-Fi

施設全館Wi-Fi

施設内のどこででも、電子カルテや見守りセンサーといったIoT機器が使用できるように、全館Wi-Fiネットワークを設置しました。それに伴い、有線LANを必要とする上に場所を取るデスクトップ型PCではなく、ノート型PCの導入を推進しました。

モバイル端末

モバイル端末

施設内で使用しているIoTシステムの情報を、常時確認したり入力等行えるように、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末を複数台導入しました。

Wi-Fiインカム

Wi-Fi インカム

施設のネットワークインフラの整備に伴い、Wi-Fiを利用したインカムを導入しました。トランシーバー型のように電波が届かなかったり、他の電波との混線の恐れがありません。通常タイプのイヤホンと骨伝導タイプのイヤホンを用意しています。

電子カルテ

電子カルテ

利用者様の容態(身体情報・体温・健康状態等)とそれに対応した日々の介助の内容を記録しています。電子化することで手書きにかけていた時間が削減でき、施設内にいる職員はすぐに情報を取得できるので、申し送りもスムーズに行えています。
[導入機:ケアカルテ - 株式会社ケアコネクトジャパン]

見守りセンサー

見守りセンサー

ベッド等に設置することで利用者様が横たわっているか、起床しているかなどをセンサーが感知します。また容態によっては見守りカメラも設置します。夜間帯では、職員はセンサーで利用者様の状態を把握し、目を覚まされているタイミングでお声かけや介助を行うなど、双方の負担を減らす一助となっています。
[導入機:眠りスキャン - パラマウントベッド株式会社]

スタンディングリフト

スタンディングリフト

立つ姿勢はとれるものの、自力での立ち上がり動作が困難な利用者様に対して、移乗をサポートする介護ロボットです。人力で無理に立たせたり、持ち上げる介助をなくすことで、利用者様・介護者双方の負担を軽減できます。
[導入機:Hug T1 - 株式会社FUJI社]

床走行リフト

床走行リフト

利用者様を専用シートとアームで持ち上げたまま、車いすからベッドへの移乗や、ほかの場所へ移動するのに用いる介護ロボットです。座ったままの状態が保てない方が負担なく移動でき、介助者の負担も軽減します。
[導入機:移動式リフトEL-580 - 株式会社いうら]

泡シャワー

泡シャワー

専用ボディソープとお湯、空気を混合してできたきめ細かい泡が直接シャワーヘッドから放出され、「こすらずに汚れが落ちる」身体洗いを実現します。介護職員にとっては入浴介助における腕や足腰の負担が軽減し、利用者様は細かい泡が汚れを吸着しそのまま流せるので、肌への刺激が少なくきれいな状態になります。
[導入機:KINUAMI U - 株式会社NITTO CERA]

浴室ストレッチャー

浴室ストレッチャー

介護度が高く起き上がりが難しい利用者様をベッドからストレッチャーへ移乗し、ストレッチャー内へお湯をためることで寝たままの状態で入浴ができる福祉用具です。介護者の負担も大きく軽減されますが、利用者様が不安にならないよう、声掛けを一層丁寧に行いながら用いています。
[導入機:NS-600 - 株式会社いうら]

AI搭載ドライブレコーダー

AI搭載ドライブレコーダー

訪問業務や利用者様の送迎車に設置し、運転時にカメラで録画。ドライバーの運転技術をAIが点数化して評価し、個々の運転指導を客観的に行うことで事故の予防はもちろん、サービスの質の向上につなげています。
[導入機:ナウト - Nauto Japan合同会社]

   

OUR ACTION#01ノーリフティングケアの取り組み

介護老人保健施設サンライズ

介護老人保健施設サンライズ

超強化型在宅復帰・在宅療養支援施設

〒675-1114 兵庫県加古郡稲美町国安1237
Tel 079-496-5211

兵庫県が推進する「持ち上げない介護推進プロジェクト」に参加し、令和元年より「ひょうごノーリフティングケアモデル施設」としての認定を受ける。

機器マップ(PDF)はこちら
ノーリフティングケア(持ち上げない介護)とは

従来介護ケアは「人の手が何よりも大切だ」と考えられてきましたが、原点に立ち返り、利用者様と、介護者である職員にとって安心な介護は何かを考える姿勢を重要視しています。「利用者様・職員の双方に負担のない介護」を実現し介護サービスを継続していくためには、介護者の身体にも負担の少ない統一された介助方法を習得すること、介護環境を整備すること、介護ロボットを正しく活用することが有効です。その観点で、サンライズでは「ノーリフティングケア」の取り組みを始めました。

理学療法士
介護老人保健施設サンライズ
松下理学療法士にお話を聞きました

令和4年度ひょうごKOBE 福祉用具・介護ロボットフェスティバル(主催:厚生労働省・兵庫県立福祉のまちづくり研究所)においてひょうごノーリフティングケアモデル施設として実績を報告

ノーリフティングケアに取り組むきっかけは?
ノーリフティングケアについて、僕自身は最初懐疑的でした。理学療法士としては機器を導入するのではなく、技術の習得やリハビリの実施で状態改善をする方が良いのではと考えていたからです。
しかしひょうごノーリフティングケアモデル施設研修会を受講し、ノーリフティングケアの「ただ機械を導入するのではなく、導入前の現状把握や準備が大事であり、職員や利用者にとって有益なこと」という考え方に共感しました。
サンライズで行ったことは何ですか?
施設内にノーリフティング委員会を設置し、年間スケジュールに沿って委員会を運営しました。委員会の構成メンバーはデイケアおよび入所部門の介護職・セラピスト・看護職で構成しました。 また、現場スタッフに対し施設長から「ノーリフト宣言」によって、利用者様・職員の双方に負担のない介護を目指すためという施設の指針を共有しました。

その後、まずは健康調査とリスクの把握のために、施設内で腰痛・業務環境・介護負担についてアンケートを取りました。その結果、令和元年度の初回アンケートでは約70%が腰痛を感じるというデータが取れました。 この結果をもとに以下の動きを取りました。
①職員に対しアンケート結果をフィードバックし、合わせて腰に負担の少ない介助方法や腰痛予防体操を紹介。
②アンケートで負担が大きい場面の環境(風呂場・車いす・ベッド・ゴミ・配膳)を整備。
③介助方法の統一(適切なADL評価の実施と情報共有)
④電子カルテによる介護情報の整理
⑤介護技術習得のための内部研修を実施
介護ロボットは①~⑤の取り組みと並行し、サンライズの課題であった「重度介助者の移乗介助、トイレ介助時・入浴介助の移乗、下位操作の介助量軽減を目指すため」に複数業者と商談を行い、機器を選定、導入しました。
導入後に変化はありましたか?
職員の中には、自分のやり方にこだわりを持ったり、「難しい」「面倒」と嫌厭する人もいました。しかしあくまで「利用者」と「職員自身」のための取り組みであることを説明し、ノーリフティング委員とリハビリスタッフが中心となり指導を行い、ケアの統一を進めました。結果として、令和4年度の調査では腰痛を感じる方が30%に減少しました。

床走行リフト(移乗支援機器)などといった介護ロボットの活用にあたっては利用者様とご家族に事前に説明しました。不安や身体状況的に導入が難しい方には、ケアを実施する人員数を増やすなどで一人当たりの負担を減らす取り組みを行っています。
今後の目標を教えてください。
介護老人保健施設サンライズでは、2040年を迎えても持続可能な介護体制が実現できるよう今後もノーリフティングケアに取り組んでいきます。

また、在宅復帰強化型施設として根拠に基づいた科学的な介護を行い東播磨圏域の在宅生活の限界点拡大に努めます。
①アンケートの職員へのフィードバック
②設備改善(風呂場に手すりを設置)
⑤内部研修の実施